5/28 新宿ACB BUCK-O-NINE来日に行って
開演5分前に到着。
ACBのビルの入り口から人の列が出ている。
なんだよ、結局混んでんのかよ。
近付いてみると、別に並んでいる訳ではない。ライブハウスならどこでもある、その日の企画名・出演者が書かれた黒板の写真を撮る列。
ツイッターなの?インスタなの?検索したらこの黒板の写真何枚出てくるんだろう。
受付を済ませ、中に入る。
あぁ、こんなとこだったな。懐かしくは無いけど、来てみるとここで何のライブを観たか思い出す。
早速、buck-o-nineのトランペット奏者がフロアでお客さんと話している。
このあとも終始、取っ替え引っ替えお客さんと話す。
これだけキャリアがあって、国境を越え年齢性別を越えてキャッチーな人間に自分もなれたら。
FREEKICKのTシャツが割りと多い。
未だにある程度集客力があるんだなと。
ステージ中央最前列に、こなれた感じの数人が酒をくらっている。
あぁ、いるよね。いるいる。
金がない。出来ればコンビニで発泡酒を買って持ち込みたい。でも入場の際に1ドリンクは買わなくてはいけない。このドリンクチケットをいつ使うのか。2杯3杯と買えるわけではないので、早くても後半喉が乾くし、遅くても楽しみに欠ける。
このドリンクチケットの葛藤を全く無視した人種。
スタート前からガバガバ飲む。
別に誘い合ってもないけど、いつもライブハウスで会うんです。みたいな男女が、酒を奢り合い、「一口くれよ」し合い、スマホで写真を撮り合い、無駄にスキンシップが多く、でも「異性として意識してない」みたいな顔をする。いざライブが始まると安全圏で腕を組んでライブを観、たまにモッシュに混ざる仲間を「あいつ、バカやってるよ」的な感じで手を叩いて指を指して笑う。
この先目にするであろう光景がすでに浮かぶ。
あぁ、どこにでもいるのか。
FREE KICK
おじさんになった。
もれなくおじさん。
バンドの雰囲気に反して、曲は長く、スピードもそこそこ。裏から透けて見えるセットリストは6曲。
こーゆーバンドだったんだ。
20分あれば12曲位はできるキレキレバンドだと思っていた。
フロア中央にはスペースに余裕があって、中盤からそれに気付いたトランペットのメンバーが、腕を組んで観ている人達をターゲットにライブをし始めたが、まだ重たかった。
最後の曲の前にギターボーカルがMC。
これは届くところに届くMCだった。
このMCを早めに入れていれば違ったかもしれないし、あのタイミングだったから良かったのかもしれないし。
こーゆーバンドだったんだ。
4人じゃなかったっけ?と思っていると、1人辞めたとギターボーカルのMC。
メンバーが辞めて、ベースのメンバーが40歳にしてベースボーカルを始めた。
かっこいいよな。
何かを始めるのに歳なんて関係ないよな。
ありきたりな言葉だけど、なんだか感じるものがあった。
ドラムの体が大きすぎて、スティックが短く見えた。
すごく遠慮して、セーブして叩いているように見えたが、全力を出すとギターベースを平気でかき消すどころか、スネアを真っ二つにするほどの力がありそうだった。
最初に懸念していた光景を案の定目の当たりにし、途中何度か外に出ながら、やっとこたどり着いたbuck-o-nine。
22時前。
いやいやいや、終電がちらついてきてる。
buck-o-nine
圧倒的に華があった。
トランペットのメンバーはやはりガンガン心を掴んでいく。ウェルカム感が溢れ出ていた。
buck-o-nineを知らない人でも楽しませる包容力があった。
観れて良かった。
本当に観れたことは良かった。
でもやはり、ライブハウスは特異な空間で、居心地の悪い場所だった。
ライブって観に行くもんじゃないな。